「制度」といえばほとんどの場合は「束縛」を連想するだろう。が、社会をゲームに例えば、制度はルールのようにとらえるといい。ルールもなければ、ゲームは楽しめないのだ。夜中の信号機を前に車を反射的に止めた私はふっと思った:「もしかしたら、赤信号は私を阻止しているのではなく、アドバイスしてくれている?」

  「赤」信号を見て足を止める。目の前の信号機が自分に向けて働きかけていると思われる。
   そうやって、都会の生活では「制度」そのものが主体になっていく。その中の「住人」が制度に順応するように努める。ルールを無理して守るうちに蓄積するストレスであれ、故意にルールを違反するときの快感であれ、それは「その制度は私を束縛している」ととらえたから生じる結果であろう。

  信号機はあなたがそこにいなくても、24時間、信号(指示)を出し続けているのだ。

  あなたと同じ、あるリズムを繰り返して毎日を迎えている。
  そして、交差点であなたとすれ違う。

  このインスタレーションを体験すれば、あなたは信号機との新たな関係を発見できるのだろう。

 陳維錚tanjuichen (C) tanjc.net (previous.i.am)