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恋する34 秒 7年前に、全国のコンビニにカラーコピー機の設置が普及したごろに、私はある計画の予行練習をしていた。それはカメラを持ち歩かない旅だ。訪れる地でコンビニを見つけ、カラーコピー機で「記念写真」を撮るという単純作業。コインを入れて、顔や手を原稿台のガラス面に当てて、カラーコピーを撮る。コンビニ店員の困惑そうな表情と目線を浴びる中で、そんな不審な行動を続行した。次第に、友人を巻き込んで夜中に集団で駆け込むようになり、コンビニの片隅もカラオケボックスのようにはしゃいで騒ぐ空間と化した。プリクラとは違い、出来上がったコピーの画面上ではほとんどのモチーフが背景の闇へ消えてゆくが、何も映らなくても、私にとってはおかしくて楽しい記念になるのだ。コピーそのものは出来事を複製できないが、このアナログコピーは( 長くもなく短くもない) 約34 秒間の出来事を誘発して、1 枚の紙に記録として思い出を結像する。 |
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本個展は「懐疑と捏造:アートのジレンマ展」 (京都精華大学ギャラリーフロール11月16日[木]-11月26日[日])の サテライト展として開催されます。 |
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