The Inhabitant Of The System
制度の住人

内の人の動きに反応して点灯する信号機…制度はルールのようにとらえるといい。ルールもなければ、ゲームは楽しめないのだ。

「制度」といえばほとんどの場合は「束縛」を連想するだろう。が、社会をゲームに例えば、制度はルールのようにとらえるといい。ルールもなければ、ゲームは楽しめないのだ。夜中の信号機を前に車を反射的に止めた私はふっと思った:「もしかしたら、赤信号は私を阻止しているのではなく、アドバイスしてくれている?」

「赤」信号を見て足を止める。目の前の信号機が自分に向けて働きかけていると思われる。

そうやって、都会の生活では「制度」そのものが主体になっていく。その中の「住人」が制度に順応するように努める。ルールを無理して守るうちに蓄積するストレスであれ、故意にルールを違反するときの快感であれ、それは「その制度は私を束縛している」ととらえたから生じる結果であろう。

信号機はあなたがそこにいなくても、24時間、信号(指示)を出し続けているのだ。

あなたと同じ、あるリズムを繰り返して毎日を迎えている。
そして、交差点であなたとすれ違う。
このインスタレーションを体験すれば、あなたは信号機との新たな関係を発見できるのだろう。

/インタラクティブ・インスタレーション
/歩行者用信号灯機、超音波動きセンサー、スライド
/H2510XW6500XD13725mm(空間)

show

/陳維錚展(企画個展)
/2004.11.2(火) – 11.13(土) 11:00-19:00
/会場:石田大成社ホール(京都)


デジタルビデオ/6分(1分x6クリップ)

マレーシアの首都、クアラルンプール市の街頭で三脚を構えて交通信号機を撮影した6本シリーズです。フレームで偶然にも捉えた鳥の群れの移動とは対照的に、信号と人々の行動を制動してしまう制度のリズムを暗喩したものです。