「先」という日本語の単語ですが、意味は解釈できますか?
驚いたことに、私と同じ勘違いをしている日本人もいるのです。
まずはこの話しのきっかけをちょっと話します。
誰かとおしゃべりしている時に、突然「パン!」と強烈な音が部屋の外から聞こえたとしたら、普通はどんな反応をするのでしょうか?
「今の何?」という反応が多いと思いますが、マレーシアでは「さきのは何?」というのです。マレーシアだけではないと思いますが、少なくとも中国語でも「今」という時間設定を使うのが少ないような気がします。
中国語では「今」を「現在」と言います。「今何時?」、「彼今はどこにいるか?」といった場合以外はめったに使わない時間指定です。なぜなら、起こったことは全て過去であり、いくら「今」と近くても「現在」では言えないからだと考えます。
「今何言った?」と日本人がよく言いますが、「今」という時間設定なのに、「言った」は過去形を使います。なぜでしょう。
私は「2本目の道の先にある」など日本語の道案内に迷ったりしてならないのもきっかけとなって、「先」について考え始めたのです。
2本目の先とは、2本目の道を渡ってからのところか、渡る直前のところなのか非常に分かりづらいのが日本留学生のみの苦悩だと思いきや、日本人の中でも区別できない人が多いという現実なのです。
2本目の「手前」という言い方もあるのですが、分かる人はどのくらいでしょう。
場所の定義がはっきりしらないと、時間の定義も難しいと思います。
この現状では「今何言った?」を「先何言った?」に言い変えてもおそらく遠く過去のことを指していると勘違いするでしょう。
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